最近ニュースなどで「日銀が利上げを検討している」という言葉を耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか?
2025年1月23日・24日に『日銀金融政策決定会合』があります。
これは、日本の中央銀行である日銀が、お金の流れをスムーズにするための方法や、金利の水準などを決める、とても大切な会議です。
でも、
と疑問に思っている方もいるかもしれません。
そこで今回は、日銀の利上げが私たち個人に与える影響について、わかりやすく解説していきたいと思います!
- そもそも利上げって何?
- なんで日銀は利上げするの??
- 利上げが個人に与える具体的な影響について
- 円高の影響、住宅ローンはどうなる?
上記の内容について、投資初心者の方でもとても分かりやすく学ぶことができます!
その結果として…
そのように感じていただけたらと思います。
この記事は、節約大好きで投資2年目のFPの資格を持つ私がこれまでの経験をもとに、執筆しています。
そもそも利上げって何?簡単に解説!
「利上げ」とは、日本の中央銀行である日本銀行が、金融機関(銀行など)にお金を貸し出す際の金利、つまり「政策金利」を引き上げることを指します。
この利上げするか、しないかの判断は「日銀金融政策決定会合」で決まります。
日銀金融政策決定会合って??
目的 | 物価の安定、金融システムの安定 |
---|---|
開催頻度 | 年8回(1,3,4,6,7,9,10,12月) |
参加者 | 総裁、副総裁2名、審議委員6名 |
主な議事内容 | 金融市場調節の方針、金融政策手段、金利水準 |
政府の関与 | 財務大臣、経済財政政策担当大臣が出席可能(議決権なし) |
この会議で金利が決まり現在の政策金利…0.25%となっています。
なぜ利上げをするの?
日銀が利上げを行う主な目的は、物価の安定です。
例えば、毎日の食料品やガソリン、電気代がどんどん高くなったり、家を買おうとしたときに価格が上がり続けたりするのは、生活に直結する問題です。
そこで日銀は利上げを行うことで、企業や個人がお金を借りにくくし、経済活動を落ち着かせ、物価の上昇を抑えようとするのです。
物価が不安定だと将来の見通しが立てにくい
個人でも…
という判断につながる可能性があります。
このように物価が不安定だと、企業も個人も将来の見通しが立てにくくなり、経済活動が消極的になって、成長の妨げになることがあります。
つまり物価の安定は持続的な経済成長に不可欠なのです。
日銀は利上げや利下げの判断を行なって物価や景気の安定を目指しているのです。
利上げが個人に与える具体的な影響
では、具体的に利上げが私たちの生活にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。
企業の活動と私たちの給料
企業が銀行からお金を借りる際の金利が上がると、企業の資金調達が難しくなる可能性があります。
→企業の設備投資などが抑制され、景気が悪化する可能性がある。
景気が悪くなると、私たちの給料やボーナスにも影響が出てくるかもしれません。
物価への影響
利上げは、過度な物価上昇(インフレ)を抑える効果があります。
金利が上がることで、企業や個人の借り入れが抑制され、経済活動が落ち着き、物価上昇の勢いが弱まるためです。
最近、色々なものが値上がりしているので、物価が落ち着くのは嬉しいですね。
円高になる
円高になったら私たちの生活はどう変わる?
- 輸入食品やガソリン価格が下がる可能性
- 海外旅行がお得になる
- 輸出企業の業績悪化の可能性
- 株価へのマイナスの影響の可能性
1. 輸入商品が安くなる!
円高になると、海外から輸入される輸入食品やガソリン価格への影響があります。
例えば、海外ブランドの服や輸入に頼っている小麦、原油なども輸入に頼っているため、ガソリン価格など以前より安く手に入るようになります。
その結果、食費や交通費といった生活費を抑えることができ、家計にゆとりが生まれます。
2. 海外旅行がお得になる!
円高になると、海外旅行に行く際、以前より少ない円で現地の通貨に両替できるようになります。
旅行先での買い物や食事などもお得に楽しめるかもしれませんね。
4. 輸出企業への影響
円高は日本の輸出企業にとって逆風でマイナスの影響を与える可能性があります。
例えば、100万円の自動車をアメリカに輸出する場合…
- 1ドル150円の時:100万円 ÷ 150円/ドル = 約6,667ドル
- 1ドル130円の時:100万円 ÷ 130円/ドル = 約7,692ドル
同じ100万円の自動車でも、円高になるとアメリカでの販売価格は約1,000ドルも高くなってしまいます。(日本円にすると約15万円ほど)
となり、海外の競合製品と比べて価格競争力が低下し、売れにくくなるのです。
5. 株価への影響
基本は「輸出企業にマイナス、輸入企業にプラス」
輸出企業
円高になると、海外で製品を販売する際に、現地通貨での価格が高くなり、価格競争力が低下します。
輸入企業
円高になると、海外から原材料や製品を輸入する際のコストが下がります。
ただし、「円高=株安」ではありません。単純ではない複雑な要因が絡み合っています。
上記はあくまで基本的な考え方で、実際には
- 企業の業績以外の要因
- 企業の海外展開の状況
- 為替以外の要因
など様々な要因が絡み合って株価が変動するため、株価に影響を及ぼすため情報収集を怠らないことが重要です!
色々な金利が上がる
銀行が企業や個人に貸し出す金利が上昇することで、以下のような各種金利に影響が波及します。
- 預金金利
- 住宅ローン金利
- 企業の借入金利
- カードローン金利
- 国債の金利
などなどに影響を及ぼします。
1. 住宅ローンへの影響は?
住宅ローンを借りている方は、金利上昇の影響を特に気にされるかもしれません。
まず、住宅ローン金利には大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。
- 変動金利(金利が市場の金利動向に合わせて変動するタイプ)
- 固定金利(借入期間中の金利が一定のタイプ)
国土交通省の調査では住宅ローンを組んだ約7割の人が変動金利を選択しています。
日銀の利上げは変動金利でローンを組んでいる方は影響を受けやすいです。
返済額が増える可能性があります。(0.15〜0.2%ほど)
2.預金金利が上がる
銀行にお金を預けている場合、利上げによって預金金利が上がる可能性があります。
過去の例を見ると、日銀が利上げを行った後、数ヶ月遅れて預金金利が上昇しています。
2024年7月に日銀が事実上の利上げを行ったことを受け、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行といった大手銀行が、普通預金の金利を従来の0.001%から0.005%へと引き上げました。
100万円を預けていた場合、年間の利息は従来の10円から50円に増加する程度です。
「少しでも利息が増えるのは嬉しい!」と思う方もいるかもしれませんがまぁ微妙ですね。
まとめ
今後の動向に注目!
日銀の利上げは、私たちの預金金利や住宅ローン、物価、為替レートなど、様々な面に影響を与える可能性があります。
利上げは、物価の安定には貢献する一方、景気減速のリスクも伴います。今後の日銀の動向に注目していくことが大切です。
この記事が、日銀の利上げについて理解を深める一助となれば幸いです。
今後も、経済に関する情報をわかりやすく発信していきますので、ぜひチェックしてくださいね!