2023年4月から年金の新制度が始まります。
この記事では
そんな人に向けた記事です。
- 繰り上げ受給とは?
- 繰り下げ受給とは?
- 年金の一括受給
- 2023年からの新制度
年金は65歳から受け入れることができます。年金請求書という紙が届き
こちらに住所や名前などを記入して提出することで年金を受け取ることができます。
年金の受け取り方
年金の受け取りかたは次の種類があります。
- 繰り上げ受給 65歳よりも早く受け取る
- 繰り下げ受給 65歳よりも早く受け取る
- 一括受給 まとめてお金を受け取る
年金の繰り上げ受給
繰り上げ受給とは?
本来65歳以降に受け取る年金を60〜64歳で受け取りを開始することができる制度
繰り上げ受給のの注意点
受け取れる年金額が受給年齢を1ヶ月早めることで0.4%ずつ減額される
年金の受給
65歳から毎年100万円の年金を受給できる人がいたとすれば
普通だと65歳から毎年100万円の年金を受け取ることができますが
これを繰り上げて早めに受給することができます。
60歳で繰り上げ受給する場合
60歳から年金を受け取り繰り上げ受給をする場合
年金の受給年齢を5年(60ヶ月)早めたことで
60ヶ月×0.4%=24%減額され100万円から24%差し引いた76万円が毎年受給されます。
老後の年金は亡くなるまで受け取ることができ
毎年受け取る金額も決まっています。
年金受給金額の合計
年齢 | 通常受給(円) | 繰り上げ受給(円) |
60 | 0 | 76万 |
65 | 100万 | 456万 |
70 | 600万 | 836万 |
75 | 1100万 | 1216万 |
80 | 1600万 | 1596万 |
85 | 2100万 | 1976万 |
この例で行けば80歳までは繰り上げ受給した場合のほうがお金を多く受け取れます。
ただ80歳以降は通常通りの65歳で受け取ったほうが貰える年金の額は大きくなります。
繰り上げ受給がお得になるかどうかの境目の年齢
受給開始年齢 | 年金減額率 | 繰り上げ受給が得になる寿命 |
60 | 24% | 79歳以下 |
61 | 19.2% | 80歳以下 |
62 | 14.40% | 81歳以下 |
63 | 9.6% | 82歳以下 |
64 | 4.8% | 83歳以下 |
65 | 0% | – |
例えば62歳で繰り上げ返済の場合、受給できる年金は上の表を参考にすれば14.40%減ります。
その際は寿命が81歳以下の場合は繰り上げ受給がお得に年金を受け入れることができます。
年金の繰り下げ受給
繰り下げ受給とは?
本来65歳以降に受け取る年金を66歳以降に受け取りを開始することができる制度
繰り下げ受給の注意点
受け取れる年金額が受給年齢を1ヶ月遅くすることで0.7%ずつ増額される
65歳から毎年100万円の年金を受給できる人がいたとすれば
普通だと65歳から毎年100万円の年金を受け取ることができますが
70歳から年金を受け取り繰り下げ受給をすることで
年金の受給年齢を5年(60ヶ月)遅くすることで
60ヶ月×0.7%=42%増額され
100万円から42%足した142万円が70歳から毎年受給されます。
70歳で受給する場合
84%以上の増額はできない制度になっている。
いくら繰り下げしても仮に10年繰り下げて75歳から年金の受け取りを開始した場合
120ヶ月×0.7%=84%の増額となり
これ以上の増額はできなくなっています。
年金受給金額の合計
年齢 | 通常受給(円) | 繰り下げ受給(円) |
65 | 100 | 0万 |
70 | 600万 | 142万 |
75 | 1100万 | 710万 |
80 | 1600万 | 1420万 |
85 | 2100万 | 2130万 |
90 | 2600万 | 2840万 |
この場合で言えば85歳以上まで生きるのであれば繰り下げ受給したほうが金銭面ではお得です。
繰り下げ受給がお得になるかどうかの境目の年齢
受給開始年齢 | 年金減額率 | 繰り上げ受給が得になる寿命 |
65 | – | – |
66 | 8.40% | 77歳以上 |
67 | 16.80% | 78歳以上 |
68 | 25.20% | 79歳以上 |
69 | 33.60% | 80歳以上 |
70 | 42.0% | 81歳以上 |
71 | 50.40% | 82歳以上 |
72 | 58.80% | 83歳以上 |
73 | 67.20% | 84歳以上 |
74 | 75.60% | 85歳以上 |
75 | 84.00% | 86歳以上 |
上の表では繰り下げ受給がお得になるかどうかの境目の年齢がわかります。
例えば70歳から繰り下げ受給した場合はもらえる年金は42%増えます。
その場合は81歳以上生きれば繰り下げたほうがお得に年金がもらえるわけです。
年金の受け取り方には色々な考え方がある
確かにお金の面を見れば長生きすると仮定すれば
実際に厚生労働省の主な年齢の平均余命を参考にすると60歳以降の余命は男性で24.02年(84.02歳) 女性で29.28年(89.28歳)となり
期待値としては65歳からの年金受給のほうが受け取るお金は多くなります。
ただし自分の体が元気なうちにお金をつかいたいという考え方もあります。
旅行などをしたい場合は体力なども多少必要ですので
できるだけ若いうちに年金を受け取るという考え方もあります。
年金の一括受給
65歳からの年金をさかのぼって受け取る特例
と意気込んでいたものの、病気や怪我など思わぬトラブルですぐにお金が必要になる場合があります。
2023年3月までの年金の一括受給
年金の一括受給制度とは
過去に受けとっていなかった年金を一括で受給することができる特例制度のこと
年金は5年で時効になるので注意です。
一括受給しようと遡れるのは5年間だけとなります。
例えば72歳で繰り下げ受給しようと待機していた人がいます。
繰り下げたことで58.8%もらえる年金の額が増えていました。
しかしここで病気となりまとまったお金が必要になったとします。
ここで年金の一括受給を選択すると
受け取れる金額は5年前の67〜72歳の間の年金のみです。
年金の時効は5年間なので65〜66歳の2年間で受け取るはずだった年金は消失します。
となるわけです。
さらに翌年以降に受け取る年金の金額は繰り下げ受給で増えた58.8%は消えて
65歳で受け取る年金額(上の例では100万円)のみしかもらえなくなります。
またすでに受け取りを選択した人が後になって一括請求することもできません
そこで誕生した新制度が「繰り下げみなし増額制度」です。
年金の新制度 繰り下げみなし増額制度
2023年4月からは「繰下げみなし制度」が2023年4月より導入されます。
新制度は5年前に繰り下げ受給したとみなして年金額が増加する制度です。
この制度により時効で消滅する年金の救済制度が新設されます。
例えば72歳で一括受給する場合
新制度では67歳から繰り下げ受給したとみなします。
65〜67歳までの2年間(24ヶ月)×0.7%=16.8%
プラスされた116.8万円が生涯に渡って受け取ることができます。
以上、この記事が参考になれば幸いです。