こんな疑問や悩みを抱えて高配当株投資に踏み切れていない人のために、高配当株投資で株を選ぶ際に重要な5つのポイントについて図を用いて解説します!
- 高配当株投資で銘柄を選定するときに大切なこと
- 『IR BANK』で財務状況を確認する方法
- 高配当株投資によくある質問
上記の内容について、高配当株投資初心者の方でもとても分かりやすく学ぶことができます!
その結果として…
そのように感じていただけたらと思います。
この記事は、節約大好きで投資2年目のFPの資格を持つ私がこれまでの経験をもとに、執筆しています。
はじめに
近年、低金利が続く中で、株式投資で配当金を得ることに注目が集まっています。
中でも、高い配当利回りを誇る「高配当株」は、安定した不労所得として皆さん気になっているのではないでしょうか?
しかし、高配当株にはリスクも存在するため、選ぶ際には注意が必要なんです。
この記事では、高配当株を選ぶ際に重要な7つのポイントを解説します。
これらのポイントを理解することで、リスクを抑えながら安定した配当収入を目指せるでしょう。
高配当株を選ぶ際に重要な7つのポイント
1. 配当利回りだけでなく「配当額」と「配当性向」も確認しよう
配当利回りは、株価に対する配当金の割合を示す指標で、高ければ魅力的に感じますよね。
しかし、利回りだけで判断するのは危険です。
- 配当額の確認
- 配当性向の確認
配当額の確認
過去の配当額の推移を見て、安定して配当が出ているかを確認しましょう。
- 3年前:1株あたり12円
- 2年前:1株あたり10円
- 1年前:1株あたり8円
- 今年:1株あたり6円
このように減配傾向にある場合は注意が必要です。減配傾向にある場合はいくつかパターンがあり
- 業績が悪化している場合
- 会社が成長のために事業投資する場合
- 企業の負債が増加したり、財務状況が悪化した場合
などさまざまな要因があります。
自分で減配の理由や企業の業績、将来性などを総合的に判断することが大切です。
配当性向の確認
企業が儲けた利益のうちどれだけを配当に回しているかを示す配当性向も重要です。
例えば…
その年に企業が1億円の利益を出したとしてそのうち5,000万円を配当に回す場合
→配当性向は50%となります。
- 高すぎる場合…企業の成長が抑えられる可能性、業績悪化時に減配するリスクあり
- 低すぎる場合…株主としては旨みが少ない
ということで一般的には、配当性向は30%〜40%程度が目安と言われています。
過去の配当実績と増配傾向
単に現在の配当利回りが高いというだけで投資を決めてしまうのは危険です。
過去の配当実績を確認し、安定して配当を出しているか、増配傾向にあるかを確認しましょう。
長年、増配を続けている企業を選ぶ際は、業績が安定していて、過去の配当実績と増配傾向に着目することが非常に重要です。
なぜ過去の配当実績が重要なのか?
過去の配当実績は、企業が過去にどれだけ株主に利益を還元してきたかを示す重要な指標で以下のことが確認できます。
- 減配リスクの回避
- 配当政策の安定性
- 業績の安定性との関連
長年にわたり安定して配当を続けている企業=株主還元意識が高く、業績も安定している可能性が高い
逆に過去に何度も減配している企業は、将来も減配するリスクが高いと言えます。
過去の配当実績を確認することで、減配リスクの高い企業を避けることができるのです。
なぜ増配傾向が重要なのか?
増配傾向とは、企業が年々配当金を増やしていく傾向のことです。
増配傾向にある企業では以下のことに期待できます。
- 将来の配当収入増加
- 株価上昇への期待
- 企業の成長性
- 実質利回りの向上
つまり増配傾向にあるってことは企業は、業績が好調で、将来の成長も期待できる可能性が高いということなんです。
2. 業績の安定性と成長性
高配当を維持するためには、企業の業績が安定していることが不可欠です!
業績が不安定、成長性がない企業に投資する場合、減配、株価下落のリスクを余計に背負わなければいけません。
高配当の裏に潜むリスク
減配のリスク
企業の業績が悪化すると、配当金を減らしたり、場合によっては無配(配当金がゼロ)になったりする可能性がある。
株価下落のリスク
業績悪化は、株価の下落につながる可能性が高い。配当金を受け取っていても、株価の下落によって損失が大きくなることもある。
つまり、高配当株投資で安定した収入を得るためには、配当金が継続的に支払われる可能性が高い企業を選ぶことが重要になります。
そこで重要になってくるのが、「業績の安定性」と「成長性」なのです。
配当金は、企業の利益から支払われます。
つまり…
- 企業の業績が安定している→安定的に利益を上げていて配当維持する可能背が高い
- 業績が成長している → 増配が期待できる
このように考えることができるのです。
2. 財務状況の健全性
高配当という表面的な魅力だけに目を奪われてしまうと、思わぬリスクに直面する可能性があります。そのリスクを回避し、安定した高配当株投資のために、重要なのが「財務状況の健全性」です。
財務状況の健全性が重要な理由
企業の財務状況が健全であるということは、企業が安定的に事業を継続し、将来にわたって利益を生み出す能力が高いと言うことなんです。
つまり…
財務状況が良い→配当金の原資となる利益を安定的に確保できることにつながり、減配や無配のリスクを抑えることができる
ということです。
具体的には、以下の点が重要になります。
- 安定した利益とキャッシュフロー
- 適切な自己資本比率
- 低い有利子負債
- 十分な現預金
安定した利益とキャッシュフロー
企業が株主に配当金を支払うためには、利益が必要です。つまり企業の利益は配当金の源泉なんです。
過去の利益推移やキャッシュフローを確認し、安定的に推移しているかを確認しましょう。
適切な自己資本比率
自己資本比率は、企業の財務的な安定性を示す重要な指標です。
自己資本比率とは?
自己資本比率は、企業の総資本(資産の合計)に占める自己資本(返済不要の資本、主に株主からの出資金と過去の利益の蓄積)の割合を示す指標です。
自己資本比率(%)= 自己資本 ÷ 総資本 × 100
自己資本比率は高いほど財務基盤が安定しているといえます。
一般的には40%以上が目安とされていますが、業種や会社の成長具合によって異なります。
成長期の企業は積極的に投資を行うため、一時的に自己資本比率が低くなることもあります。
自己資本比率の一般的な目安
- 製造業 40%以上(設備投資に多額の資金が必要となるため)
- サービス業 20%以上(比較的少ない資本で事業を始められるため)
- 建設業 15%以上(受注状況によって業績が大きく変動するため)
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の企業の状況に合わせて判断する必要があります。
低い有利子負債と十分な現預金
- 有利子負債→企業が返済しなければならない借金です。
過剰な有利子負債は、金利負担を増やし、業績悪化時に経営を圧迫する可能性があります。
また、十分な現預金があれば、不況時や予期せぬ事態にも対応できます。
3. 業種と景気変動の影響
業種によって景気変動の影響を受けやすいものとそうでないものがあります。
景気変動に左右されにくい業種を選ぶことで、安定した配当収入を期待できます。
景気変動が配当に与える影響
景気変動は、企業の業績に大きな影響を与え、ひいては配当金にも影響を及ぼします。
好景気の場合
→企業の業績が好調になり、利益が増加するため、配当金の増額が期待できます。
不景気の場合
→企業の業績が悪化し、利益が減少するため、減配や無配のリスクが高まります。特に、景気の影響を受けやすい業種では、減配幅が大きくなる可能性があります。
業種によって、景気変動の影響を受けやすいものと受けにくいものがあります。
つまり生活必需品を扱う企業は、景気が悪くなっても需要が大きく減ることは少ないため、業績が安定しやすい傾向があります。
一方、景気が悪くなってきた場合、
など自動車や鉄鋼などの製造業や、景気の影響を受けやすく、業績が大きく変動する可能性があります。
高配当株投資における業種選択のポイント
高配当株投資においては、以下の点を考慮して業種を選択することが重要です。
- 景気変動の影響を受けにくい業種を選ぶ
- 景気敏感セクターへの注意して様々な業界に分散投資する
- 長期的な視点で投資する
業種の特性や景気動向を分析し、長期的な視点で投資判断を行いましょう。
4. 時価総額と流動性
時価総額が大きい企業は、一般的に業績が安定しており、流動性も高い傾向があります。
時価総額とは?
時価総額とは、企業の株式の市場価値を表す指標で、以下の計算式で求められます。
時価総額 = 株価 × 発行済み株式数
時価総額が大きい企業は「大型株」、小さい企業は「小型株」と呼ばれます。
一般的に、大型株は業績が安定しており、倒産リスクが低いと言われています。
5. 株主優待の有無(あれば尚良し)
株主優待がある銘柄では、配当金に加えて優待品も得られるため、投資の魅力が増します。
ただし、優待目当てで投資するのではなく、あくまで配当と業績を重視した上で、優待があれば尚良しという考え方で臨みましょう。
優待目当てだけで投資するのが危険な理由を解説します。
高配当株投資における株主優待のメリット
高配当株投資において株主優待があることは、以下のようなメリットをもたらします。
株主優待のメリット
- 配当金に加えて追加の利益
- 投資の楽しみが増える
- 長期保有のモチベーション維持
- 企業への親近感の向上
配当金に加えて追加の利益
株主優待は、配当金とは別の形で株主への利益還元となります。
実質的な利回りが向上し、投資のパフォーマンスを高める効果が期待できます。
高配当株と株主優待の組み合わせの魅力
高配当株と株主優待の組み合わせは、まさに「一石二鳥」です。
- 安定的な配当収入 + 魅力的な優待品 = 投資満足度の向上
優待品の内容によっては、日常生活で使えるものや、家族で楽しめるものなど、投資がより身近で楽しいものになります。
例えば、高配当で有名な企業が、自社製品の詰め合わせを優待品として提供している場合、配当金と優待品の両方を受け取ることができ、投資家にとって大きな魅力になりますよね!
財務状況の確認方法
企業の財務状況は、企業の決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)から確認できます。
具体的には、以下の指標を確認しましょう。
- 自己資本比率が40%以上か?
- 売上高が右肩上がりか?
- 営業利益率
- 有利子負債比率
- EPS(一株あたりの利益の大きさ)が右肩あがり、安定かしている?
これらの指標が「IR BANK」を利用すると過去数年分確認することで、企業の財務状況の推移を把握することができます。
企業の財務状況が健全であるか、負債が過剰でないか、自己資本比率は適切かなどを確認しましょう。
高配当株投資の疑問を解消!初心者向けQ&A
A. 高配当株とは、他の株式に比べて配当利回りが高い株式のことです。配当利回りとは、株価に対する1株あたりの年間配当金の割合を示す指標で、以下の計算式で求められます。
配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
例えば、株価1,000円で1株あたりの年間配当金が50円の株式の場合、配当利回りは5%となります。
一般的に、配当利回りが3%以上であれば高配当と言われることが多いです。
A. 高配当株投資の主なメリットは以下のとおりです。
- 安定した収入▶︎ 定期的に配当金を受け取ることができるため、安定した収入源となります。
- 配当金とキャピタルゲインの両方を狙える▶︎配当金だけでなく、株価上昇による利益(キャピタルゲイン)も期待できます。
- 長期投資に向いている▶︎長期保有することで、複利効果を活かし、効率的に資産を増やすことができます。
A. 高配当株投資には以下のようなリスクがあります。
- 減配リスク 企業の業績が悪化した場合、配当金が減らされる可能性があります。
- 株価下落リスク 業績悪化や市場全体の状況などにより、株価が下落する可能性があります。
- 高配当利回りの罠(配当利回りが極端に高い場合、業績悪化によって株価が下落している可能性があるので注意が必要です。)
A. 高配当株を選ぶ際には、以下のポイントに注目しましょう。
- 配当利回りだけでなく業績も確認
- 過去の配当実績と増配傾向
- 業種と景気変動の影響
- 財務状況の健全性
- 時価総額と流動性
- 株主優待の有無(あれば尚良し)
A. ネット証券を中心に、手数料が安く、情報ツールが充実している証券会社がおすすめです。各証券会社によって特徴が異なるため、自分に合った証券会社を選びましょう。
A. ポートフォリオを組む際には、以下の点に注意しましょう。
分散投資
(特定の銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資することで、リスクを軽減することができます)
業種分散
同じ業種の銘柄に偏らないように、異なる業種の銘柄を組み合わせることで、リスクを分散することができます。
長期的な視点
短期的な株価変動に惑わされず、長期的な視点で投資を行うことが重要です。
まとめ
高配当株投資は、安定した収入を得るための有効な手段の一つです。
しかし、高配当にはリスクも伴うため、上記のポイントをしっかりと理解し、慎重に銘柄を選ぶことが重要です。
- 配当利回りだけでなく業績も確認
- 過去の配当実績と増配傾向
- 業種と景気変動の影響
- 財務状況の健全性
- 時価総額と流動性
- 株主優待の有無(あれば尚良し)
以上この記事が参考になれば幸いです。